2019年9月の学科試験15問で検証
FP3級のテキスト12冊の網羅性を比較するために、2019年9月の学科試験のカバー率を検証しました。
学科試験は全部で60問ありますが、その多くは基礎的な問題だったり、頻出事項のため、どのテキストにも載っている感じでした。
そのため、学科試験のうち応用問題15問を抽出して、テキスト12冊でそれぞれカバーしているか探しました。
※選んだ問題は記事の最後に書いています。
過去問カバー率
とりあえず結果のまとめは以下の通りです。
※「非カバー問題」…カバーしていなかった問題数。速攻テキストなら1問だけカバーしていなかったということ。
※「全体カバー率」…検証していない残り45問すべてをカバーしていた場合のカバー率。速攻テキストなら59問/60問=約98.3%
「速攻テキスト」はなんと1問以外すべてカバー。すごい。
「史上最強」も表紙に書いてある96.3%カバーまでは1問差でいきませんでしたが、名に恥じないカバー率です。
じゃあ「速攻テキスト」が最高のテキストで、最下位の「マンガで攻略」はダメなテキストかというと、そうではないです。
FP3級は6割取れたら合格なので、「マンガで攻略」の83.3%のカバー率でも合格は可能です。
逆に「速攻テキスト」はカバー率が高い分、ページ数が一番多くて情報量も多いので、勉強するのが大変です。
ページ数とカバー効率
カバー問題数を各テキストのページ数で割って、カバーしている1問に対して何ページを使っているかを計算しました。
要するに、どのくらい効率よく試験問題をカバーできているかの検証です。
例えば、「速攻テキスト」は59問カバーで463ページあるので、463p÷59問=約7.8p/問です。
つまり1問カバーするのに7.8ページ使っているようなイメージです。
きんざいが出版している2冊はかなり薄いので、1位2位となりました。
逆にカバー率1位の「速攻テキスト」は11位に。
これも必ずしも良いテキスト順ではありません。
1位のきんざい本は、内容が一番分かりにくいです。
逆に最下位の「みんなが欲しかった」は一番分かりやすい内容になっているので、分かりやすくするためにページ数を割いていると考えられます。
カバー率はテキストを選ぶときの一つの指標
そんな感じで、各テキストには網羅性やページ数以外にも考慮することがあるので、本記事の過去問のカバー率だけでテキストを選ぶべきではありません。
どのテキストのカバー率であっても合格はできるので、分かりやすさなど、網羅性以外の特徴も理解したうえで購入したほうが良いと思います。
各テキストのレビューページには、網羅性以外のことも詳しくまとめているので、そちらを参考にしてください。
(参考)選んだ問題と各テキストのカバー
「みんなが欲しかった」がカバーしていない:5問
まずは、売上が一位の「みんなが欲しかった!FPの教科書3級」で学科全60問を探しながら解いて、カバーできていない問題を抽出しました。
「みんなが欲しかった」でカバーできていなかった問題は以下の5問でした。
①(5)教育一般貸付(国の教育ローン)の使途範囲
②(10)受託者賠償責任保険
③(35)貸金業法の総量規制
④(36)少額短期保険
⑤(46)相続・遺贈・贈与による取得に対する所得税の扱い
※カッコ内の数字は問題番号です。
それ以外の応用問題:10問
この5問だけで検証したら「みんなが欲しかった」が不利な条件になるので、その5問以外の応用問題も抽出しました。
⑥(3)国民年金の任意加入被保険者
⑦(12)ゆうちょ銀行の預入限度額
⑧(16)通勤手当の非課税限度額
⑨(22)住宅の品質確保の促進等に関する法律における瑕疵担保責任を負う期間
⑩(39)給付・反対給付均等の原則
⑪(41)マネーストック統計の集計対象外と公表元
⑫(50)準確定申告の期間
⑬(51)基準地標準価格の基準日と公表時期
⑭(52)事業用定期借地権等の存続期間
⑮(60)小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例における特定事業用宅地等の限度面積と減額率
10問を選びましたが、今思うと応用か微妙な問題も含んでしまっていました。
でも残り45問はこれ以上に基礎的事項や頻出事項で、どのテキストもほとんどカバーしていると思います。
各テキストのカバー
各テキストがカバーしている問題、していない問題は以下の通りです。
※カバー率が高い順。