ざっくりいうと…効率的にしっかり勉強できるテキスト
薄いのに、網羅性はFP3級のテキスト12冊中2位。
特に欠点がなくて、頻出事項に絞っているから効率的に勉強ができます。
見た目
下のほうがごちゃごちゃしてます。
下の部分は帯のほうが良かったな。
カバーを外すとかなりシンプルなものになるのは◎
分かりやすさ:○
頻出部分が分かりやすい
このテキストは、頻出部分を赤枠で囲んで書いています。
実際、過去問でカバー率を検証していた時は出題の半分以上が赤枠内の事項だったと思います。
重要部分が分かりやすいので、メリハリをもって読むことができます。
表はたくさん使われています。
でも「速攻テキスト」や「きほんテキスト」といった、網羅性が高くて似た雰囲気があるテキストと比べると表が少なめです。
図は必要最小限という感じです。イメージが重要な不動産や相続の部分ではちゃんと図が使われていて分かりやすいです。
網羅性:◎
薄いのに抜群のカバー率
2019年9月の学科試験のカバー率は60問中57問、95%をカバーしていました。
FP3級のテキスト12冊中2位のカバー率です。
表紙の96.3%は2016~2018年のカバー率平均で、それには1問差で及んでいませんが、この薄さでこの網羅性は本当にすごいと思います。
カバー率1位の「速攻テキスト」は59/60問カバーですが463pあって、本書「史上最強」は337pなので、126pも薄いです。
「ムダな勉強一切なし!」と表紙にありますが、確かに無駄な内容が全然ない、きちんと試験問題を分析されていて、出題される事項に絞ったテキストです。
ただ、別に合格するためにはこんなにカバーしている必要性もないので、同じく表紙の「最短・最速で合格へ!」を目指すなら、もっと最短最速のテキストはあります。
「最短・最速で高得点合格!」を目指すならこのテキストが最適だと思います。
見返しやすさ:○
このテキストの索引は、FP3級のテキスト12冊中最も探しやすいです。
索引単語数が2位であることに加えて、その豊富な索引の中から目的の単語を一番探しやすい工夫がされています。
以下で本書の索引の優れているところの説明をしていますが、ちょっと熱く語りすぎて長いので、
「とにかくこのテキストの索引は一番いい」ってことだけ分かってもらえれば、読み飛ばしちゃって大丈夫です。
索引があいうえお形式
索引の見出しには、「あかさたな」形式と、「あいうえお」形式の2種類があります。
これには以下の画像のような違いがあります。
ほとんどぼかしていて見づらいですが、見出しに着目してほしいです。
2番目が本書の索引です。
1番目は見出しが「さ行」しかありませんが、
2番目の見出しが「さ行」の他に、吹き出しで「さ」「し」とあります。
例えば、「準確定申告」という言葉を、それぞれの索引で探すとします。
「さ行」は単語が多くて、特に「し」はたくさんの重要語句があります。
「あかさたな形式」の索引だと、「さ行」の場所はすぐわかるけど、
「し」がどこからどこなのかすぐには分かりません。
「あいうえお形式」の索引なら、「し」が直接見出しにあるので、
どこからどこまでが「し」なのか一目で分かります。
1つ言葉を探す程度なら大した違いじゃないと思うかもしれませんが、これが何十回と調べていくと、快適さに大きな違いを感じます。
付属問題について
問題数
各節末に2~12問。
出題形式
○×、3択、穴埋め問題があります。
節末問題はすべて過去問から出題。
解答
問題ページの最後にあります。
解答が赤字なのに赤シートで隠せない濃い赤なのが残念です。
解説
ほとんどの問題に解説あり。
〇×問題の○の問題と、穴埋めの一部に解説なし。
レベル
節末問題だけで350問以上あります。
さらに下記の付属問題集には314問もあるのでかなりの問題数があります。
これらをちゃんとやるだけで合格レベルに達するんじゃないかと思います。
付属問題集
問題数…314問
出題形式…すべて〇×問題(過去問ではない)
解答…問題のすぐ右。こっちはちゃんと赤シートで隠せます。
解説…節末問題のより簡易的だけど各問にあり。テキストの解説ページも各問にあるから分からなければすぐ解説が読めます。
別売問題集の評価:◎
問題集全体のページ数でみると、461pで、全体で2番目に厚いです。
ただ、その内訳は、①学科175p、②実技合計198p、③頻出項目まとめ88pとなっています。
そして実技は各試験ごとに分かれているので、自分が解くのは198pのうち1/3くらいです。
そう考えると、実際に解くページの合計は約241pで、最も薄い部類に入ります。
テキストに対応した順番で問題が並べられているので、本記事のテキストを使う場合は、この問題集一択だと思います。
強み・オススメできるひと
特に欠点がなくて完成度が高い
このテキストには、特に欠点がありません。
網羅性すごい、けど十分薄い。
分かりやすさ十分。見返しやすさ良い。
付属問題は多いし、別売問題集のクオリティも高い。
全部ハイレベルです。
勉強しながらやり方を決めたい人には一番オススメ
私は基本的に、先に勉強法を決めて、それに合うテキストを選ぶほうがいいと考えています。
でも、「勉強を始める前から勉強法なんて決められるわけないだろ!」という意見のほうが多いかもしれません。
そういう勉強しながら方向性を固めたい人は、まず本書を買ってやってみて、それでしっくりくる勉強法を決めてみたらいいと思います。
弱み・オススメできない人
特に欠点なし、でも他にも選択肢はある
前述の通り、このテキストには欠点・弱みが特にありません。
でも強いて言えば、薄さやさらなる効率を求める人、時間がない人には、他にもっと良い選択肢があります。
このテキストも十分薄いし効率的に勉強ができるんですけどね。
より薄くて効率的に勉強したいなら他に選択肢がある
私が勉強するテキストを選ぶとき、このテキストか、「これであなたも一発合格!」かの2択で最後まで悩みました。
結局このテキストではなく、「これであなたも一発合格!」を選んだのですが、その理由は、①より薄い、②網羅性をここまで必要としていないという2点で決まりました。
薄さや最効率を求めるのであれば、「これであなたも一発合格!」がいいかもしれません。
ただ、私は他にカバー率1位の「速攻テキスト」を辞書的に使って、網羅性の低さをカバーしていました。
サブテキストを使わずに1冊でやりたいのであれば、このテキストもかなりオススメです。
時間がない人にも他に選択肢がある
この網羅性の割には薄いといっても、それでも結構な文章量はあります。
もし、時間がなくてちゃんと勉強する時間がない場合は、このテキストはオススメできません。
「スッキリわかる」か「マンガで攻略」で詰め込むのが、面白くはないですが最速で合格レベルに達すると思います。
あと、最高の網羅性が欲しいなら「速攻テキスト」のほうがいいです。
満点狙いの人以外、本書の「史上最強」で十分しっかり勉強ができて高得点が取れますけどね。
色んな勉強法ができる
本書はあらゆる面で完成度が高いため、幅広い勉強法に対応できます。
・問題集メインの勉強法
→別売問題集とテキストが対応していて良くできているから、勉強しやすい
・テキスト通読メインの勉強法
→薄いから通読しやすい
・テキスト付属問題メインの勉強法
→問題数が660問以上あって合格に十分な量
・過去問メインの勉強法
→網羅性が高いからテキストで解説を読みながら解きやすい
おすすめは、別売問題集をメインに進めていく勉強法です。
本書の別売問題集は良くできているので、スムーズに勉強ができるかと思います。
※テキストと問題集は、本書と「史上最強のFP3級問題集」に置き換えてください。
それ以外の勉強法については以下のまとめ記事を参考に、自分に合いそうなものを選んでみてください。