ざっくりいうと…時間がないけど何とかしたい人向け
正直言って、みんなにオススメできるテキストではありません。
網羅性が比較的低かったり、変わった構成をしていて見返しにくかったりと、一般的には欠点が気になるテキストです。
ただ、試験直前で時間がないけど何とかしたい人は、この本1冊買って、ごり押しで合格するのが結構合っていると思います。
このテキスト独自の勉強法はこの記事の下のほうに書いてあるので、このテキストにする場合はぜひ参考にしてください。
見た目:◎
これだとごちゃごちゃした印象ですが…
帯が外せて、そうするとなんともカッコイイ表紙に一変します。
表紙のデザインはFP3級テキストのなかで一番好きです。
さらさらした手触りで気持ちいいし。
カバーを外しても同じ見た目してます。
分かりやすさ:○
初めて勉強するときに入りやすい
各節の最初に「30秒レクチャー」っていうのがあって、だいぶラフな感じでその節の勉強内容を説明しています。
これのおかげで、初めて勉強するときも内容のイメージがつかみやすいと思います。
ただ、表は必要最小限、図はかなり少ないので、本文は文章が中心です。
そういう面では分かりにくいです。
このテキストの面白いところは、めちゃくちゃ丁寧にフリガナが振っているところです。
本当にすごいです。
「自動車保険」を読めない人が、FP3級を受けるか?
漢字読むのが苦手な人は、このテキスト一択でしょう。
網羅性:△
ダメじゃないけど他に劣る
2019年9月の学科試験60問のうち、応用問題を15問抽出して、FP3級のテキスト12冊でカバー率を検証しました。
※残り45問は基礎だったり超重要な部分なので12冊のどのテキストにも大体載っています。
その結果、15問中7問正解、つまり8問はカバーしていませんでした。
このカバー率は12冊中9位で、結構ひどいです。
15問を除いた残り45問はすべて載っているとしたら、52/60問カバーしていることになります。
カバー率で言えば約86.7%なので、決して悪いわけじゃないです。
学科試験は60問中36問正解で合格です。
逆に言えば、24問は間違えることができます。
このテキストだけを使うとすると、2019年9月の学科試験ではその時点で8問落とすことになり、間違えていい問題数は16問ということになります。
情報を必要最小限に絞ってるとも考えられる
86.7%をカバーしていて、16問間違えることができる。
このテキストでちゃんと勉強すれば合格できるとは思いますが、それでも他のテキストに比べて網羅性が劣るのは確かです。
でも裏を返せば、合格に必要な最小限の情報だけを書いているとも考えられます。
見返しやすさ:×
ごちゃごちゃしてて見返しにくい
網羅性だけなら、そんな問題ではありません。十分合格できる情報量はあります。
私が一番良くないと感じたのは、網羅性の低さに見返しにくさがセットになっている点です。
網羅性の低さは、問題集や過去問を併用することでテキストに載ってないことをカバーできます。
でもこのテキストの場合、問題集や過去問をやりながら、テキストの解説ページを探すのが非常にやりにくいです。
このテキストの構成は9章88節に分かれていて、他のテキストは6章30~60節に分けてあるのに対してかなりこま切れです。
その節の最初には30秒レクチャーがあって、1ページの半分を使っています。
最初はイメージがつかみやすくていいのですが、勉強が進んでくると必要なくなるので邪魔です。
さらに節末ごとに問題演習がついているので、かなりごちゃごちゃしていて、ペラペラめくっても何がどこに書いてあるのかかなり分かりにくいです。
このテキストを使いながら問題集や過去問を使う場合、解説ページを探すときは各章の最初にまとめと各節の内容が書いてあるので、そこを見て探すのがいいと思います。
実際どんな感じなの?
実際の中身を、TAC出版のサイトで確認できます。
下記のリンク内の「立ち読み」ってところから、1章の一部と目次と索引を見ることができます。
(TGリンク)
付属問題について
問題数
各節末に1~8問。
出題形式
〇×問題と3択問題が半分ずつくらい。
すべて過去問から出題されていて、何年何月の、さらに第何問から出題されたかまで書いてあって丁寧です。
解答
問題ページの下に解答と解説があります。
解答は赤シートで隠せるので、解いていて解答が見えることはありません。
解説
すべての問題に簡単な解説がついています。
レベル
350問くらいあると思うので、かなり多いほうです。
難易度もすべて過去問から出題なので、ある程度はあるかと思います。
別売問題集の評価:○
274pと薄めで、重要過去問をテキストの構成に合わせて並べ替えています。
学科と実技の問題を章ごとに掲載しているほか、模擬試験が学科と実技で1回ずつあります。
テキストは特徴的な構成ですが、問題集はオーソドックスな構成をしています。
普通に良い出来なのですが、本記事のテキストを使うなら、問題集をやらなくてもテキストの付属問題をしっかりこなせば十分だと思います。
そもそもこのテキストは、問題集をしっかりやっている余裕はないような人向けなので(詳細は後述)、問題集を購入する必要はないと思います。
強み・オススメできるひと
構成が特殊だから、それを利用するのはアリ
これまで書いてきたことから分かるように、正直万人にはオススメできないです。
でも構成が他とは違う特殊なものなので、特定の人には向いているかもしれません。
試験まで時間がないけど何とかしたい!って人の第一候補
「勉強してない!試験まで時間がない!でも申し込んじゃってて受験料もったいない!」
そういう人が詰め込むのに向いていると思います。
網羅性が低いけど裏を返せば合格に必要な最小限の情報だけ書いているともいえます。
学科試験対策は1~6章で282pだけだし、この中には30秒レクチャーや問題演習も含まれています。
そう考えると、情報量はこのテキストが1番絞っているのかもしれません。
勉強法についてはこの記事のもう少し下のほうに書いています。
このテキスト1冊だけ買えばいいので、もし落ちても金銭的に最小限のダメージで済みます。
弱み・オススメできない人
網羅性が比較的低い・見返しにくい
網羅性が比較的低いのと、見返しにくさが厄介だと思います。
もし問題集をやりたいなら、このテキストに対応した「スッキリとける 過去+予想問題 FP技能士3級」が絶対いいです。
これなら見返しにくさをカバーできます。
何とか受かりたい人以外にはオススメできない
上に書いた、時間がないけど何とかしたい人以外には、あまりオススメできません。
時間があるならもっと分かりやすくまとまってるテキストがありますし。
諦めるくらいならこのテキストを使って無理やり合格したほうが良いと思いますが、
時間があるなら、もっと体系的に勉強することをおすすめします。
FP3級はお金に関する教養として日常生活で役に立つので、詰め込んで試験終わったら全部忘れた。ってのはもったいないです。
このテキストを活かした勉強法
このテキストは、時間がないけどなんとかしたい人にはかなり使えます。
本書の特徴を活かした詰め込み勉強法は、以下の記事に詳しくまとめていますので、参考にしてください。